マックス・レーガー バッハの主題による変奏曲とフーガ 作品81
Max Reger ____ Variation unt Fuge Op.81 (Thema von Bach)
この作品主題は、J. S. バッハの教会カンタータ《ただキリストの昇天によりて》(BWV 128)の第4曲アリアである。レーガーが、シュミット・リントナーに規模の大きいピアノ作品の献呈を申し出た際に、リントナーがその作品の主題として提示したものだった。
1904年12月14日のミュンヘンで、リントナーによるピアノで初演された。14の変奏と規模の大きい二重フーガからなるこの作品は、彼のピアノ作品の中でも最も重要なものである。ドイツ人らしい変奏やフーガは、バッハやベートーヴェンの伝統を受け継ぐものである。
しかし、この難解さはただ事ではない。音楽的に晦渋な内容と、その音楽的語法の複雑さ、そしてピアノ演奏技巧および読譜の難しさである。ピアニストは、しばしばこの曲を聴衆の前で演奏をすることを躊躇うが、それは上記の意味からである。しかし、素晴らしい芸術作品はそうした危惧もなしに聴衆に理解されるものである。バッハの主題に始まり、変奏、フーガ、クライマックスのコーダと音楽の流れは圧巻である。
ピアニスト及びオルガニストであるシュミット・リントナーは、少年レーガーの才能を発見育成した人物である。地方都市にこうした優れた音楽家が住み活動できるヨーロッパの伝統があってのことだろう。大家となったレーガーがリントナーに対する長年の恩を自らの作品に込めた大作と言えるだろう。
レーガーがピアノ作品の多作家であるのも意外と知られていない。音楽史の分類上レーガーは近代に属するようだが、生まれ育った時代は後期ロマン派のいわゆるワーグナー流の大編成オーケストラ作品が主流であった。マーラー・ブルックナー・Rシュトラウス等の名前が出てくる。そうした中で地味な作風のレーガーはあまり注目を引かないが、その音楽的密度と壮大さは後期ロマン派の息吹を感じさせる。
戦争に従軍したレーガーの音楽には、人間性を否定された破滅的な要素と、それゆえに自らの心奥に秘めた愛や夢が矛盾に満ちた容で混在ししている。そうした彼の音楽は大人にしか理解されない玄人好みなものかもしれない。
テーマ バッハのカンタータによる主題 オーボエのようにと書かれているのは原曲のイメージによる。。
変奏の一部 譜割の困難な部分
コーダ 楽譜のほとんどが真っ黒くなるくらい音符が書き込まれている。全曲にわたる重音奏法はピアニストにとって最大の難関である。というのも、この曲を弾きこなすためには相当の練習量が必要なため長年の正しいピアノメソードが問われることになるからだ。さもないと腱鞘炎等の重大な障害に陥る可能性があるだろう。